不動産投資・賃貸経営における入り口としての収益物件の購入に当たって非常に重要な「エリア選定」に際して、対象エリアの賃貸物件の需給バランスの見込みをあらかじめ予測しておくことが重要となります。賃貸物件の需給バランスを考えるに際しての重要な視点をご紹介します。
賃貸需給バランスの崩壊〜羽生ショック〜
不動産投資・賃貸経営における物件選定に当たっては、都道府県の各区市町村別の人口動態に基づく賃貸需要の推測をすることが欠かせませんが、空室率や賃料下落リスク等につながる賃貸物件の供給状況の現状・見通しの把握も必須となります。
賃貸物件の供給の現状については、特定のエリアの空室状況や相場家賃がわかるスマサテなどを用いて把握できますが、賃貸物件の供給の見通しの把握は不確実要素が多く一筋縄にはいかないと思いますが、賃貸の需給バランスが崩壊した「羽生ショック」の存在は念頭においておいた方が良いと思います。
<羽生ショック>
埼玉県羽生市は、市街化調整区域で農地を宅地に転用できるよう規制緩和を実施したところ、戸建てのマイホームの誘致・奨励という当初の想定と異なり賃貸アパートが乱立してしまい、羽生市では2003年から10年間で、空き家の増加率が2.03倍、賃貸住宅の空き部屋の増加率が2.14倍に跳ね上がり、深刻な供給過剰の状態となってしまいました。
羽生ショックからエリア選定を考える
前記の羽生ショックから、①検討エリアが市街化調整区域に該当するか否か、②検討エリアに農地がどれほどあるかという視点が将来の賃貸物件の需給バランスを予想する上で非常に重要であるという教訓を学べます。
すなわち、検討エリアが市街化調整区域(市街化を抑制すべく原則建築不可)であれば、行政の方針変更により規制緩和が行われて居住用建物の建築が可能となって居住用建物の供給が増加する可能性があるということになります。加えて、検討エリアが農地だらけであれば、前記の規制緩和により農地の宅地転用が進んで一気に供給過剰となり空室リスクや家賃下落リスクが跳ね上がる危険性があると言えます。
<不動産投資・賃貸経営のおすすめの本をご紹介>
アクセンチュアのキャリアを経て姫屋不動産コンサルティング代表となった著者による「確実に儲けを生み出す 不動産投資の教科書」という書籍をご紹介。
不動産投資の目標設定から不動産会社のパートナー選び、物件の選定方法、金融機関・管理会社開拓、不動産の売買契約の締結の流れなど、不動産投資・賃貸経営上の一連の流れを具体的かつわかりやすく説明した実務で非常に役立つ内容となっています。
視覚的に理解できる図が散りばめられており、初心者の方でもすらすらと読み進めることができると思いますので、ぜひおすすめしたい一冊です。

コメント